会社のパソコン等で個人利用VPNを利用することのリスクや危険性
はじめに
個人利用VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上でのプライバシー保護やセキュリティ向上を目的として、多くの人々に利用されています。特にリモートワークが増える中で、会社のパソコンで個人利用VPNを使用するケースも増加しています。しかし、これにはいくつかのリスクや危険性が伴います。本記事では、会社のパソコンで個人利用VPNを利用する際のリスクや危険性について詳しく解説します。
個人利用VPNのリスク
個人利用VPNには、いくつかのリスクが存在します。まず、セキュリティリスクです。VPNサービスが提供する暗号化技術は強力ですが、完全ではありません。特に無料のVPNサービスは、セキュリティが脆弱であることが多く、データ漏洩のリスクが高まります。また、VPNサービス自体が不正アクセスのリスクを抱えている場合もあります。例えば、2020年には複数のVPNサービスがハッキングされ、ユーザーデータが流出した事例があります。
さらに、個人利用VPNを使用することで、インターネット接続速度が低下する可能性があります。VPNを通じて通信を行うため、通常のインターネット接続よりも遅くなることがあります。特に、無料のVPNサービスはサーバーの負荷が高く、接続速度が遅くなることが多いです。
また、個人利用VPNを使用することで、特定のウェブサイトやサービスにアクセスできなくなることがあります。これは、VPNサービスが特定のIPアドレスを使用しているため、ウェブサイトやサービスがそのIPアドレスをブロックすることがあるためです。例えば、NetflixやHuluなどのストリーミングサービスは、VPNを使用しているユーザーをブロックすることがあります。
個人利用のVPNサービスのお勧めを知りたければ、以下の記事も参考にしてください。
おすすめのVPN
会社のパソコンで個人利用VPNを使用する際のリスク
会社のパソコンで個人利用VPNを使用する際には、特有のリスクが存在します。まず、IT部門の管理負担が増加します。個人利用VPNを使用することで、IT部門はネットワークの監視や管理が難しくなり、セキュリティ対策が後手に回る可能性があります。また、互換性の問題も発生することがあります。会社のネットワーク環境やセキュリティポリシーと個人利用VPNが合わない場合、接続が不安定になったり、業務に支障をきたすことがあります。
さらに、会社のパソコンで個人利用VPNを使用することで、会社のネットワークに対するセキュリティリスクが増加します。個人利用VPNを通じて外部のネットワークに接続することで、会社のネットワークが外部からの攻撃にさらされるリスクが高まります。例えば、個人利用VPNがハッキングされると、会社のネットワークに対する攻撃の入り口となる可能性があります。
また、会社のパソコンで個人利用VPNを使用することで、業務効率が低下する可能性があります。VPNを通じて通信を行うため、通信速度が低下し、業務に支障をきたすことがあります。特に、大量のデータを扱う業務やリアルタイムでのコミュニケーションが必要な業務では、通信速度の低下が大きな問題となります。
会社のネットワークで個人利用VPNを使用する際のリスク
会社のネットワークで個人利用VPNを使用することも、いくつかのリスクを伴います。まず、ネットワークセキュリティの低下が挙げられます。個人利用VPNを通じて外部のネットワークに接続することで、会社のネットワークが外部からの攻撃にさらされるリスクが高まります。また、業務効率の低下も問題です。VPNを通じた通信は、通常の通信よりも遅くなるため、業務に支障をきたすことがあります。
さらに、会社のネットワークで個人利用VPNを使用することで、会社のネットワーク全体に対するセキュリティリスクが増加します。例えば、個人利用VPNがハッキングされると、会社のネットワーク全体が攻撃の対象となる可能性があります。また、個人利用VPNを通じて外部のネットワークに接続することで、会社のネットワークに対する攻撃の入り口となる可能性があります。
また、会社のネットワークで個人利用VPNを使用することで、ネットワークの遅延が発生する可能性があります。VPNを通じて通信を行うため、通常の通信よりも遅くなることがあります。特に、大量のデータを扱う業務やリアルタイムでのコミュニケーションが必要な業務では、ネットワークの遅延が大きな問題となります。
社用のパソコン・ネットワークでVPNを利用する際の注意点
海外出張では、会社から貸与されたパソコンやタブレットを利用することが大半かと思いますが、社用パソコンでのVPN利用には、私物のパソコン以上に、注意が必要です。
以下のようなデメリットや弊害があると、通常、考えられているようです。
セキュリティポリシーや関連規程への抵触:
企業は自身のセキュリティポリシーを遵守する必要があることから、社用の端末で企業が許可していないVPNを利用することは、セキュリティポリシーに適合しないため、禁止や制限されることがあります。
不正アクセスの可能性:
VPNを介して社内LANに接続する際、社内ネットワークへの不正アクセスが増加する可能性があります。
マルウェア感染のリスク:
VPNを使用する際、不正なサーバーに接続するリスクがあり、マルウェア感染やフィッシング攻撃によって、社用端末が危険にさらされる可能性があります。
情報漏えいリスク:
社用の端末で海外VPNを使用すると、社内LANから外部のサーバーに接続することができます。しかし、万一社用端末が紛失または盗難に遭った場合、重要なデータが漏洩するリスクが高まります。
セキュリティ対策の複雑化:
VPNの利用に伴い、セキュリティ対策の管理が複雑化する確率があがります。
社内ネットワークへのアクセス禁止や各種再設定やパソコンの再セットアップを求められる
仮に実害がなくもて、社内的には情報セキュリティのリスクやインシデンスとみなされて、パスワードの変更やパソコンのリストア、再セットアップを求められて、余計な手間暇がかかる可能性があります。

Cozyの会社でも、最近でも社用パソコンで日本の動画サイトをVPN経由で利用してマルウェアに感染した事例があり、社用パソコンでのVPN利用禁止の周知が徹底されました。セキュリティ担当部署の人から、業務時間外に日本の動画等を見ること自体は、問題ないが、VPNは、私用の端末での利用を厳守して欲しいとリマインドされました。
会社のパソコンからVPNを利用するときの心構え
上記のような理由や背景から、海外出張において社用パソコンやタブレットからのVPN利用は以下の点に留意すべきです。
-
- 自分の会社の情報セキュリティやITセキュリティに関する規程やルールをちゃんと確認し、それを遵守する
- 社用のパソコンでは、基本、会社で認められたVPNしか利用しない
- 業務に関係ないVPN利用は私用のスマホやタブレットに限定する
一方で、私用の端末でVPN接続して日本の動画を閲覧すること等は、ほとんどの企業で禁止されていないと思いますので、業務に関係ないVPN利用は、社用の端末以外で行いましょう。

最近は、私用VPN利用に限らず、私物のパソコンやスマホに業務関連のアプリやソフトをインストールしたり、業務関連ファイルを転送したりすると、情報セキュリティー上の観点からアラートや是正措置を求められる企業が多いようなので、基本、海外出張時は、業務利用と私的利用の端末は別けておくのが、リスクヘッジの観点からも無難かと思います。
個人利用のVPNサービスのお勧めを知りたければ、以下の記事も参考にしてください。
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まとめ
個人利用VPNは、プライバシー保護やセキュリティ向上に役立つ一方で、いくつかのリスクや危険性が伴います。特に会社のパソコンで利用する際には、IT部門の管理負担やネットワークの遅延、セキュリティリスクなどが発生する可能性があります。これらのリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。会社での利用に関しては、IT部門と連携し、セキュリティポリシーに従うことを推奨します。

会社のパソコンやタブレット等を利用する時は、以下を念頭においておけば、余計な面倒は、かなり軽減できると思います。
- 自分の会社の情報セキュリティやITセキュリティに関する規程やルールをちゃんと確認し、それを遵守する
- 社用のパソコンでは、基本、会社で認められたVPNしか利用しない
- 業務に関係ないVPN利用は私用のスマホやタブレットに限定する


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